
オフィスオーガスタ所属の9組のアーティストが
真夏の夢の島に集結。今年で12年目を迎える
「Augusta Camp 2010」の模様をレポート!

[2010.8.5(Sun) 夢の島公園 陸上競技場]
数多くの良質なシンガーソングライター/アーティストを擁する音楽プロダクション「オフィスオーガスタ」。そのアーティストたちが一堂に会するイベント「Augusta Camp 2010」が8月14日、15日、東京都立夢の島公園陸上競技場にて行われた。今年で12年目を迎えた同イベント。その2日目の15日の模様をレポートしよう。
今回の夢の島公園陸上競技場は、競技場とは名のつくもののスタンドも特にはなく、周りに緑も多い、さながら大型の自然広場といった趣き。海にほど近いこともあり、涼風に乗り潮の香りが微かに届いてくるナイスなシチュエーションだ。
あえて<アコースティック>とのテーマでの開催となった今回のAugusta Camp。各アーティストが自身の楽曲をあえてアコースティックな楽器を通し伝えるメインステージと、そこからランウェイ的に飛び出た先のサブステージでは、今年デビュー15周年を迎える山崎まさよしを祝し、各アーティストが1曲づつ愛着を込め、その山崎の曲をカバーする2ウェイが交互に行われた。その前情報から、各々しっとりとした弾き語り的な、<聴き入るコンサート>を勝手に想像していただけに、各アーティスト、各楽曲のその表現の百花繚乱ぶりには、驚かされたり、喜んだりすること然り。これまでエレキ・バンド・スタイルでのライヴした観たことのなかったアーティストも、各楽曲の新しい側面や解釈、本質やバックボーンを堪能させてもらった。
かく言う私はこのAugusta Campへの参加は2年ぶり5回目。参加して毎度思うのだが、私も含む参加するお客さんのイベントへの丸ごとの愛しっぷりは、さながらファミリーの如く。アットホームでマイホームな雰囲気は、この夏幾つか参加したフェスの中でも断トツを誇り、他では味わえない親近感に満ちていた。
前説的に会場を和ませ、イベント開始への誘いを担当したのは、山崎まさよしとCOILの岡本定義による「さだまさよし」。ビデオ映像ながら彼ららしいユルユル&ダルダルなトークと、本家さだまさしの「関白宣言」の替え歌の弾き語りに乗せ、この日の注意事項やイベントのポイント等を和やかに爆笑も交え伝えた。
続いての杏子が登場するといきなり舞台は艶やかに変わる。ヴァイオリンとガットギターを交え、ロングドレスを振り乱しながら歌うフラメンコ調の情熱ナンバー「DISTANCIA〜この胸の約束〜」。一足早く会場全体でこのイベントの成功を祝さんとばかりの乾杯の後歌われた、長澤知之提供「ねぇ、もっと」。男女の心理や駆け引きを上手く描写し、それを時に力強く、時にデリケートに歌ったBARBEE BOYS時代からの朋友イマサの提供曲「色派」。そして、サンビスタの衣装をまとい、パーカッションにあらきゆうこ、ギターにCOILの岡本を交え、カーニバルさながらの盛り上がりを場内に送り込んだ「恋するサンビスタ」を披露する。
サブステージでの長澤によるブルースハープとギターでのしっとりとした山崎の「妖精といた夏」のカバーを挟み、メインステージにはスキマスイッチが現れる。大橋のギター弾き語りを中心に、常田のグランドピアノや躍動的なパーカッションと共にオリジナルとは違った趣きで伝えられた、最新曲「アイスクリームシンドローム」を始め、力強いギターカッティングと踊るようにハネる常田のピアノの上、歌われた「フィクション」。ピアノのみをバックに、より一層の愛しさが楽曲に移入された「奏(かなで)」。オリジナルの勢いや疾走感を、この日は躍動感や力強さで補った、より前向きでブレイブに生まれ変わった「ゴールデンタイムラバー」。ラストのハミングでは会場中に大合唱を生み、最後は笑顔とマイペース感で会場を満たした「虹のレシピ」と、大橋の伸びやかな歌声と、常田のグランドピアノならではのデリケートなタッチや力強さ、厳かさが青い空に吸い込まれていくのが印象的なライヴであった。
サブではステージを終えたばかりのスキマの常田のピアノの上、スガがスイートにソウルフルに山崎の「振り向かない」をカバーすれば、続くメイン3番手のCOILの岡本は、アダルティな雰囲気で会場を包み、居合わせた大人たちの心をギュッとつかんでいた。発表したばかりの2ndソロアルバムの楽曲を中心に、それらをあえてボサノバやジャジーさを交えて歌い、演奏。真夏の暑さの中、涼風のようなミッドナイト感溢れる音楽で会場中に涼しさを引き入れた。
サブでの、ハープをバックにゴージャスで幻想的にカバーされた、元ちとせによる山崎の「やわらかい月」を挟み、メインではさかいゆうが、広いステージの真ん中にたった一台置かれたグランドピアノと共に、しっとりとした弾き語りバラード「Room」を歌い始める。愛しい人に会いたい気持ちを切々と歌う同曲を始め、終始ピアノと歌だけで自身の世界をキッチリと伝え切ったのが印象的であった彼。ファルセットを交えたそのソフィスティケイトされた歌声に会場が聴き入る。オリジナル以上に優しげに柔らかく歌い上げた「週末モーニン」。原曲の躍動感や生命力をよりネイキッドに伝え、ラストの一節を「走り出そう 夢の島のストーリー」と替えるサービスも交えた「ストーリー」。暗闇を走り抜け、次の良い景色へと誘ってくれた「train」を歌う。
そして、サブにはスキマスイッチ大橋が登場。ギタリストと山崎の「全部、君だった。」を優しさたっぷりに会場全体に向け歌う。そして、そのままメインに移動。ライヴを終えたばかりのさかいを呼び込み、二人で作った「ピアノとギターと愛の詩(うた)」を、ヒューマンビートボックスとさかいのピアノ、そしてラップ交じりの歌声と共に披露する。大橋からさかい、さかいから大橋へとブロックごとに移っていくそれぞれの歌声と、時折り重なる2人ハーモニーは会場の隅から隅まで染み渡っていった。
出演メンバーがそれぞれプロデュースした食べ物が、その名も「オーガスタ食堂」にて展開されていた、この日。その味を相伴しようとイベント時間中その長蛇の列はいっこうに途切れることはなかった。そんな光景もこのイベントならではと言えるだろう。
ソウルフルな独特の歌声が西日に変わってきた会場に響き渡る。続いてのメインはスガ シカオだ。まずはギター1本でデビュー曲「ヒットチャートをかけぬけろ」をプレイする。発表時と今では全く違った響き方であろう同曲。今だから高らかに歌えるのではないだろうか?等、色々な憶測が嬉しいサプライズの中、沸き起こる。続いて弦楽四重奏を呼び入れ、彼らと共に「黄金の月」「夜空ノムコウ」と初期ナンバーを立て続けに歌う。「バラードが続いたんで、ちょっとファンキーな曲を」と、自身のギターのタッピングをサンプリングループに「19才」を歌い会場に横ノリを起こせば、ラストはお客さんとの大合唱にて「午後のパレード」を完成させ、趣きは違えどいつものスガ・ワールドに会場を惹き込んでいく。
サブでの杏子とあらきによる山崎の「ペンギン」のカバーの後、メインに長澤知之がギターのスタンディング弾き語りスタイルにて登場。デビュー曲「僕らの輝き」を始め、会場限定販売曲「回送」等4曲を披露する。掻き鳴らされるギターとシニカルでシュール、それでいて痛々しく響く歌詞、それを伝えるハイトーンな歌声は終始聴く者の胸を刺激した。
サブにCOILの岡本が登場し、山崎の「水のない水槽」を弾き語りカバー。続くメインには、グランドピアノとヴァイオリンらと共に元ちとせが現れる。8月4日に邦楽編『Orient』と洋楽編『Occident』の2枚のカバーアルバムをリリースした彼女。そこからのナンバーを中心としたセットでこの日は会場を堪能させた。まずはスタンダードナンバー「慕情」、Fairground Attractionの「Perfect」を奄美の民謡のコブシを交え、オリジナリティたっぷりに歌う。続くThe Beatlesの「Ob-La-Di,Ob-La-Da」が飛び出せば、会場全体が牧歌的に早変わり。ピクニック気分が一気に上がる。最後は自身の「語り継ぐこと」を歌い、絵巻のように広がっていく歌世界に会場中が悠久の夢へと思いを馳せる。
サブに秦が現れ、山崎の写真と同期されたサウンドと共に「つばめ」をレゲエ調のアレンジにてカバー。その後、そこに元ちとせと、ピアニスト/アレンジャーの武部聡志が呼び込まれ、「季節はずれながら...」との前置きと共にTVCMで話題の「なごり雪」のデュエット・カバーで会場を浸らせる。
数多くの良質なシンガーソングライター/アーティストを擁する音楽プロダクション「オフィスオーガスタ」。そのアーティストたちが一堂に会するイベント「Augusta Camp 2010」が8月14日、15日、東京都立夢の島公園陸上競技場にて行われた。今年で12年目を迎えた同イベント。その2日目の15日の模様をレポートしよう。
あえて<アコースティック>とのテーマでの開催となった今回のAugusta Camp。各アーティストが自身の楽曲をあえてアコースティックな楽器を通し伝えるメインステージと、そこからランウェイ的に飛び出た先のサブステージでは、今年デビュー15周年を迎える山崎まさよしを祝し、各アーティストが1曲づつ愛着を込め、その山崎の曲をカバーする2ウェイが交互に行われた。その前情報から、各々しっとりとした弾き語り的な、<聴き入るコンサート>を勝手に想像していただけに、各アーティスト、各楽曲のその表現の百花繚乱ぶりには、驚かされたり、喜んだりすること然り。これまでエレキ・バンド・スタイルでのライヴした観たことのなかったアーティストも、各楽曲の新しい側面や解釈、本質やバックボーンを堪能させてもらった。
かく言う私はこのAugusta Campへの参加は2年ぶり5回目。参加して毎度思うのだが、私も含む参加するお客さんのイベントへの丸ごとの愛しっぷりは、さながらファミリーの如く。アットホームでマイホームな雰囲気は、この夏幾つか参加したフェスの中でも断トツを誇り、他では味わえない親近感に満ちていた。
前説的に会場を和ませ、イベント開始への誘いを担当したのは、山崎まさよしとCOILの岡本定義による「さだまさよし」。ビデオ映像ながら彼ららしいユルユル&ダルダルなトークと、本家さだまさしの「関白宣言」の替え歌の弾き語りに乗せ、この日の注意事項やイベントのポイント等を和やかに爆笑も交え伝えた。
続いての杏子が登場するといきなり舞台は艶やかに変わる。ヴァイオリンとガットギターを交え、ロングドレスを振り乱しながら歌うフラメンコ調の情熱ナンバー「DISTANCIA〜この胸の約束〜」。一足早く会場全体でこのイベントの成功を祝さんとばかりの乾杯の後歌われた、長澤知之提供「ねぇ、もっと」。男女の心理や駆け引きを上手く描写し、それを時に力強く、時にデリケートに歌ったBARBEE BOYS時代からの朋友イマサの提供曲「色派」。そして、サンビスタの衣装をまとい、パーカッションにあらきゆうこ、ギターにCOILの岡本を交え、カーニバルさながらの盛り上がりを場内に送り込んだ「恋するサンビスタ」を披露する。
サブステージでの長澤によるブルースハープとギターでのしっとりとした山崎の「妖精といた夏」のカバーを挟み、メインステージにはスキマスイッチが現れる。大橋のギター弾き語りを中心に、常田のグランドピアノや躍動的なパーカッションと共にオリジナルとは違った趣きで伝えられた、最新曲「アイスクリームシンドローム」を始め、力強いギターカッティングと踊るようにハネる常田のピアノの上、歌われた「フィクション」。ピアノのみをバックに、より一層の愛しさが楽曲に移入された「奏(かなで)」。オリジナルの勢いや疾走感を、この日は躍動感や力強さで補った、より前向きでブレイブに生まれ変わった「ゴールデンタイムラバー」。ラストのハミングでは会場中に大合唱を生み、最後は笑顔とマイペース感で会場を満たした「虹のレシピ」と、大橋の伸びやかな歌声と、常田のグランドピアノならではのデリケートなタッチや力強さ、厳かさが青い空に吸い込まれていくのが印象的なライヴであった。
サブではステージを終えたばかりのスキマの常田のピアノの上、スガがスイートにソウルフルに山崎の「振り向かない」をカバーすれば、続くメイン3番手のCOILの岡本は、アダルティな雰囲気で会場を包み、居合わせた大人たちの心をギュッとつかんでいた。発表したばかりの2ndソロアルバムの楽曲を中心に、それらをあえてボサノバやジャジーさを交えて歌い、演奏。真夏の暑さの中、涼風のようなミッドナイト感溢れる音楽で会場中に涼しさを引き入れた。
サブでの、ハープをバックにゴージャスで幻想的にカバーされた、元ちとせによる山崎の「やわらかい月」を挟み、メインではさかいゆうが、広いステージの真ん中にたった一台置かれたグランドピアノと共に、しっとりとした弾き語りバラード「Room」を歌い始める。愛しい人に会いたい気持ちを切々と歌う同曲を始め、終始ピアノと歌だけで自身の世界をキッチリと伝え切ったのが印象的であった彼。ファルセットを交えたそのソフィスティケイトされた歌声に会場が聴き入る。オリジナル以上に優しげに柔らかく歌い上げた「週末モーニン」。原曲の躍動感や生命力をよりネイキッドに伝え、ラストの一節を「走り出そう 夢の島のストーリー」と替えるサービスも交えた「ストーリー」。暗闇を走り抜け、次の良い景色へと誘ってくれた「train」を歌う。
そして、サブにはスキマスイッチ大橋が登場。ギタリストと山崎の「全部、君だった。」を優しさたっぷりに会場全体に向け歌う。そして、そのままメインに移動。ライヴを終えたばかりのさかいを呼び込み、二人で作った「ピアノとギターと愛の詩(うた)」を、ヒューマンビートボックスとさかいのピアノ、そしてラップ交じりの歌声と共に披露する。大橋からさかい、さかいから大橋へとブロックごとに移っていくそれぞれの歌声と、時折り重なる2人ハーモニーは会場の隅から隅まで染み渡っていった。
出演メンバーがそれぞれプロデュースした食べ物が、その名も「オーガスタ食堂」にて展開されていた、この日。その味を相伴しようとイベント時間中その長蛇の列はいっこうに途切れることはなかった。そんな光景もこのイベントならではと言えるだろう。
ソウルフルな独特の歌声が西日に変わってきた会場に響き渡る。続いてのメインはスガ シカオだ。まずはギター1本でデビュー曲「ヒットチャートをかけぬけろ」をプレイする。発表時と今では全く違った響き方であろう同曲。今だから高らかに歌えるのではないだろうか?等、色々な憶測が嬉しいサプライズの中、沸き起こる。続いて弦楽四重奏を呼び入れ、彼らと共に「黄金の月」「夜空ノムコウ」と初期ナンバーを立て続けに歌う。「バラードが続いたんで、ちょっとファンキーな曲を」と、自身のギターのタッピングをサンプリングループに「19才」を歌い会場に横ノリを起こせば、ラストはお客さんとの大合唱にて「午後のパレード」を完成させ、趣きは違えどいつものスガ・ワールドに会場を惹き込んでいく。
サブでの杏子とあらきによる山崎の「ペンギン」のカバーの後、メインに長澤知之がギターのスタンディング弾き語りスタイルにて登場。デビュー曲「僕らの輝き」を始め、会場限定販売曲「回送」等4曲を披露する。掻き鳴らされるギターとシニカルでシュール、それでいて痛々しく響く歌詞、それを伝えるハイトーンな歌声は終始聴く者の胸を刺激した。
サブにCOILの岡本が登場し、山崎の「水のない水槽」を弾き語りカバー。続くメインには、グランドピアノとヴァイオリンらと共に元ちとせが現れる。8月4日に邦楽編『Orient』と洋楽編『Occident』の2枚のカバーアルバムをリリースした彼女。そこからのナンバーを中心としたセットでこの日は会場を堪能させた。まずはスタンダードナンバー「慕情」、Fairground Attractionの「Perfect」を奄美の民謡のコブシを交え、オリジナリティたっぷりに歌う。続くThe Beatlesの「Ob-La-Di,Ob-La-Da」が飛び出せば、会場全体が牧歌的に早変わり。ピクニック気分が一気に上がる。最後は自身の「語り継ぐこと」を歌い、絵巻のように広がっていく歌世界に会場中が悠久の夢へと思いを馳せる。
サブに秦が現れ、山崎の写真と同期されたサウンドと共に「つばめ」をレゲエ調のアレンジにてカバー。その後、そこに元ちとせと、ピアニスト/アレンジャーの武部聡志が呼び込まれ、「季節はずれながら...」との前置きと共にTVCMで話題の「なごり雪」のデュエット・カバーで会場を浸らせる。


